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「解体工事」と「改修工事」の違いをプロが解説!求められる技術とは

名古屋市を拠点に全国で電気工事や解体工事、建築工事一式を手掛ける坂建設株式会社です。建設業界では「解体工事」と「改修工事」という言葉が日常的に使われますが、両者は似ているようで、その目的も技術も大きく異なります。建設業界でのキャリアを考えている方にとって、この違いを正しく理解することは非常に重要です。今回は、現場を知るプロの視点から、解体工事と改修工事の定義、それぞれに求められる技術や資格、そして仕事の進め方の違いについて、分かりやすく徹底解説します。

解体工事とは?建物を「壊す」専門技術

解体工事は、建物や構造物を安全かつ計画的に取り壊す工事です。単に「壊すだけ」と思われがちですが、実際には周辺環境への配慮、廃材の適切な処理、安全管理など、高度な専門知識と技術が求められる重要な仕事です。

解体工事の定義と目的

解体工事とは、既存の建築物や工作物を取り壊し、撤去する工事を指します。主な目的は以下の通りです。

建て替えのため:老朽化した建物を取り壊し、新しい建物を建設するための土地を整備します。
土地の有効活用:使われていない建物を解体し、駐車場や新たな用途に土地を転用します。
安全確保:倒壊の危険がある建物を取り壊し、周辺住民の安全を守ります。
再開発事業:都市計画に基づき、複数の建物を解体して大規模な開発を行います。

解体工事の最終的なゴールは、「更地(さらち)」にすることです。次の利用に向けて、きれいに整地された状態まで仕上げることが求められます。

解体工事の種類と工法

解体工事には、建物の構造や規模、立地条件に応じて様々な工法があります。

工法名
特徴
主な対象
圧砕工法
重機のアーム先端に取り付けた圧砕機で建物を破砕する
鉄筋コンクリート造の建物
転倒工法
建物の支柱を切断し、ワイヤーで引っ張って倒す
煙突や鉄塔など高層構造物
カット工法
ダイヤモンドカッターで建物を切断しながら解体
狭小地や振動を抑えたい現場
手壊し工法
重機が入れない場所で手作業により解体
木造住宅の内装、狭小地

参照:国土交通省「建設リサイクル推進施策 通達・基準・マニュアル」

現場の状況に応じて最適な工法を選択し、安全かつ効率的に作業を進めることが求められます。

関連法規と安全管理

解体工事は、複数の法律によって厳しく規制されています。特に重要なのが以下の3つの法律です。

建設業法:解体工事業の登録が義務付けられています。一定規模以上の工事には、解体工事施工技士などの有資格者の配置が必要です。
建設リサイクル法:一定規模以上の解体工事では、コンクリート、木材、アスファルトなどを分別し、リサイクルすることが義務付けられています。
廃棄物処理法:解体で発生した廃材は、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。マニフェスト(管理票)による追跡管理が必須です。

環境への配慮が必須
解体工事では、粉じん、騒音、振動など周辺環境への影響が大きいため、散水や防音シートの設置など、適切な対策が求められます。また、アスベストを含む建材の処理には特別な手続きと専門知識が必要です。

改修工事とは?建物を「生まれ変わらせる」技術

改修工事は、既存の建物を取り壊さずに、その性能や機能を向上させたり、老朽化した部分を修繕したりする工事です。建物の骨格は残しながら、使いやすく、安全で快適な空間へと生まれ変わらせることが目的です。

改修工事の定義と目的

改修工事とは、既存建築物の機能維持・向上、長寿命化を図るために行う工事の総称です。英語では「Renovation(リノベーション)」や「Refurbishment(リファービッシュメント)」とも呼ばれます。

改修工事の主な目的は以下の通りです。

機能の向上:古い設備を最新のものに更新し、利便性や省エネ性能を高めます。
耐震性の強化:現行の耐震基準に適合させるため、構造補強を行います。
美観の回復:外壁の塗装や内装の張り替えにより、建物の見た目を新しくします。
法令適合:建築基準法やバリアフリー法など、現行法令に適合させます。
用途変更:オフィスを住宅に、倉庫を店舗に変更するなど、建物の使い方を変えます。

改修工事の最大の特徴は、建物の基本構造(柱や梁など)を残しながら改善を図る点にあります。

改修工事の種類と範囲

改修工事は、その規模や内容によって様々な種類に分類されます。

改修の種類
内容
具体例
設備改修
電気、給排水、空調などの設備を更新
配管の交換、照明のLED化、空調機の更新
内装改修
壁紙、床材、天井など内装仕上げを更新
壁紙の張替え、床のフローリング化、間仕切り変更
外装改修
外壁、屋根、窓などの外部仕上げを更新
外壁塗装、防水工事、サッシの交換
耐震改修
建物の耐震性能を向上させる
耐震壁の増設、柱・梁の補強、制震装置の設置

参照:国土交通省「令和4年改正 建築基準法について」

これらの工事は、単独で行われることもあれば、複数を組み合わせて総合的に実施されることもあります。

大規模修繕との違い

改修工事とよく混同される言葉に「大規模修繕」があります。厳密には以下のように区別されます。

修繕:経年劣化した部分を、「元の状態」に戻す工事。性能や機能の向上は含まない。
改修:元の状態に戻すだけでなく、「性能や機能を向上」させる工事。

例えば、ひび割れた外壁を補修するのは「修繕」、外壁を補修したうえで断熱材を追加して省エネ性能を高めるのは「改修」となります。ただし、実務上は両者を明確に区別せず、まとめて「改修工事」と呼ぶことも多くあります。

解体工事と改修工事の決定的な違い

ここまで両者の概要を説明してきましたが、ここで改めて、解体工事と改修工事の決定的な違いを整理します。両者は建設業の中でも全く異なるアプローチを取る工事であり、求められる技術や視点も大きく異なります。

目的と最終成果物の違い

目的と最終成果物の違い

最も大きな違いは、工事の最終ゴールです。

解体工事:建物を「ゼロ(更地)」にすることが目的。最終成果物は「何もない土地」です。
改修工事:建物を「より良い状態」にすることが目的。最終成果物は「機能向上した建物」です。

つまり、解体工事は「破壊」のプロセスであり、改修工事は「創造・再生」のプロセスと言えます。この根本的な違いが、作業内容や必要な技術の全てに影響を与えています。

作業工程と関わる職種の違い

両工事では、作業の流れも関わる職種も大きく異なります。

比較項目
解体工事
改修工事
作業の方向性
建物を壊す・撤去する(減らす)
建物を直す・付加する(増やす・改良する)
主な作業
重機操作、手壊し、廃材搬出、整地
診断、設計、内装・外装工事、設備更新
関わる職種
解体工、重機オペレーター、産廃処理業者
建築士、電気工事士、大工、左官、内装工
工期の特徴
比較的短期(数週間~数ヶ月)
中期~長期(数ヶ月~1年以上)
騒音・振動
大きい(重機使用が多い)
比較的小さい(手作業中心)

解体工事は、重機や特殊工具を使った力仕事が中心です。一方、改修工事は、既存建物の状態を正確に診断し、適切な改修計画を立てる設計力や、多様な専門職種を調整する管理能力が求められます。

名古屋市・東海エリアでの需要動向

名古屋市を含む東海エリアでは、両工事ともに安定した需要があります。

解体工事の需要は、名古屋駅周辺や栄地区での再開発プロジェクト、リニア中央新幹線の開業に向けたインフラ整備に伴い増加しています。特に、古いビルや商業施設の建て替えに伴う大規模解体案件が多く見られます。

一方、改修工事の需要は、高度経済成長期に建設された建物の老朽化に伴い急増しています。名古屋市内の分譲マンションや公共施設の大規模改修、岡崎市や豊田市などの工場施設の設備更新工事が盛んです。また、空き家を改修して賃貸物件として再活用する動きも活発化しており、小規模な改修工事の需要も堅調です。

両方の技術を持つ強み
建設会社によっては、解体工事と改修工事の両方を手掛けるケースもあります。両方の技術と知識を持つことで、「解体して建て替える」か「改修して使い続ける」かをお客様に適切に提案できる、高い付加価値を提供できるのです。

それぞれの工事に求められる技術と資格

解体工事と改修工事では、必要とされる資格や技術も異なります。ここでは、それぞれの工事で活躍するために取得すべき資格と、求められる技術的スキルについて解説します。

解体工事に必要な資格と技術

解体工事を行うには、以下のような資格や技術が求められます。

解体工事施工技士(1級・2級):解体工事の専門知識を証明する国家資格。現場の責任者として配置が必要です。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者:鉄骨造建築物の解体作業を指揮監督する資格。
車両系建設機械運転技能講習:ショベルカーなどの重機を操作するための資格。
玉掛け技能講習:クレーンで荷物を吊り上げる際のワイヤーロープ掛けを行う資格。
石綿作業主任者:アスベストを含む建材を扱う場合に必要な資格。

技術面では、重機の正確な操作技術、建物の構造を理解し適切な解体順序を判断する能力、周辺環境への影響を最小限に抑える配慮などが重要です。

改修工事に必要な資格と技術

改修工事では、工事内容に応じて多様な資格が必要となります。

建築士(1級・2級):改修設計や確認申請が必要な場合に必須。
建築施工管理技士(1級・2級):改修工事全体の管理・監督を行う資格。
電気工事士(第一種・第二種):電気設備の改修工事を行う場合に必要。
管工事施工管理技士:給排水設備や空調設備の改修を管理する資格。
インテリアコーディネーター:内装改修でデザイン提案を行う際に有用。

技術面では、既存建物の劣化状況を正確に診断する能力、構造を損なわずに改修する技術、法規制を理解し適法な工事を行う知識、そしてお客様の要望を形にする提案力が求められます。

改修工事は多職種が関わるため、チーム全体を調整するコミュニケーション能力も非常に重要です。

どちらも建設業界を支える重要な仕事

解体工事は「終わり」を担当し、改修工事は「続き」を担当する。この2つの工事は、一見正反対のように思えますが、どちらも建設業界にとって、そして社会にとって不可欠な仕事です。解体工事がなければ、老朽化した危険な建物が放置され、新しい街づくりも進みません。改修工事がなければ、まだ使える建物が次々と取り壊され、資源の無駄遣いと環境負荷の増大を招きます。持続可能な社会を実現するためには、「壊すべきものは適切に壊し、残すべきものは賢く改修する」という両方の視点が必要です。坂建設株式会社では、解体工事と各種建築工事の両方を手掛けることで、お客様にとって最適な選択肢を提案できる体制を整えています。この記事を通じて、解体工事と改修工事の違い、そしてそれぞれに求められる技術について理解を深めていただけたなら幸いです。

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